2017.08.09
名は体を表す?「日本ファーストの会」
小池都知事率いる「都民ファーストの会」が圧勝した東京都議選から1ケ月と5日が経った8月7日、都知事選以来の小池氏の側近、若狭勝代議士が政治団体「日本ファーストの会」を立ち上げた。
もともと大阪の地域政党から国政政党化した「日本維新の会」に倣って都民ファーストも国政進出を図るものと見られる。
“都民”ファーストの国政版なら“国民”ファーストではないのか?と思った方は至極まっとうな方であろう。
そもそも当事者である彼ら自身もそう思っていたに違いないが、しかし、「国民ファーストの会」という名称は都議選前の5月3日付で、youtubeではおなじみの、ウケ狙いの泡沫候補、後藤輝樹氏に既に総務省へ届け出られてしまっていた。
後藤氏の団体は政党でも政治資金団体でもない為、同じ名前で後から政党を作っても法的には問題はないが、自身のヌードポスターを選挙に用いたり、政見放送で放送禁止用語を連呼する後藤氏と混同されるリスクなども考慮したのだろうが、「“国民”ファースト」がダメならと、「“日本”ファースト」にしたものと推察される。
しかし、よく考えると、国民ファーストと日本ファーストではその意味は真逆である。
「教育勅語を暗唱させる私立幼稚園はとんでもない」と批判される世の中である。
今更説明の必要はあるまい。国民でなく、国(日本)がファーストだと言うのだから。
とてつもない国家主義的ネーミングだということに当のご本人は気づいていないのだろうか。
気づくはずもあるまい。そもそも、自民の単独比例代議士だった若狭氏。都知事へ転身した小池にくっついてまんまと後釜の小選挙区を得て城持ち代議士となった。
細川がダメなら小沢へ、それがダメなら小泉へとくっついて身を立てた親分と息も合うわけか。
国民だろうが日本だろうがどうでもよい。小池人気と都民ファーストの語呂にあやかれればそれで良いというのが本音であろう。
であるなら、いっそのこと「自分ファーストの会」とした方が正直で潔いし、“一人一人の自分”即ち国民を一番に考えるという意味において、国家主義的な「日本ファースト」よりはマシだったのかもしれない。
末筆ながら、ぜひ、この「日本ファーストの会」を外国語に訳して世界にバラ撒かないでやって頂きたい。東京都民が気の毒だ(笑)